今から1万年以上前に人類が犬を家畜化して以来、人と動物の密接な関係は続いています。
ペットやパートナーといった良好な関係もある一方で、先日Twitterでトレンド入りしていた『三毛別熊事件』のような動物によって引き起こされた凄惨な事件も世界中で数多くあります。
今回の記事では
- 獣害って何?
- 世界三大獣害事件や世界的に有名な獣害事件
についてご紹介します。
獣害とは
獣害(じゅうがい)とは、野生動物によって引き起こされるさまざまな被害の総称を指します。
大きく分類すると
- 人的被害(人間に対する被害)
- 農業被害 (農作物に対する被害)
- 家屋被害(家屋や家畜小屋に対する被害)
- 生態被害(絶滅危惧などの生態系に対する被害)
の4つの問題に分けられ、今回の記事ではその中でも人的被害について触れていきます。
世界三大獣害事件
数多くある獣害事件の中でも、特に被害が大きく有名な3つの事件を世界三大獣害事件と呼びます。
チャンパーワットの人食い虎(トラ)

最初にご紹介するのが、チャンパーワットの人食い虎事件です。
この事件は19世紀後半~20世紀初頭にかけてインドとネパールで起きました。
たった1頭のベンガルトラがなんと436人もの人間を殺害したと言われており、この犠牲者の数は単独の猛獣による獣害事件としては史上最悪のものでギネス記録にも認定されています。
このベンガルトラは、体長2メートル50センチほどでメスだったそうです。
ネパールとインドで7年にわたって人を襲い、最終的には英国のハンターであるエドワード・ジェームズ・コーベット(ジム・コルベット)の手で射殺されました。
ギュスターヴのナイルワニ

次に紹介するのが、ギュスターヴと呼ばれるナイルワニが起こした獣害事件です。
ナイルワニは平均体長4.0メートル程度、平均体重は300キロと言われていますが、ギュスターヴはそれら通常のナイルワニの3倍にも達する超巨大な個体で、その体長は6~8メートル、体重は1トン以上もあると推測されています。
ギュスターヴは東アフリカの内陸に位置するブルンジ共和国のタンガニーカ湖とルジジ川に生息しています。
なんとその被害者は300人以上と言われており、これもまた1頭のワニの被害としては驚異的な数字です。
記録として残っている最初の被害者が1987年、それから何度も射殺を試みられたそうですが全て失敗に終わったようです。
2008年を最後に目撃情報が無くなり死亡説が囁かれていましたが、2015年にギュスターヴに似たワニが水牛を捕食する姿が確認されています。
それ以来ギュスターヴの目撃情報はありませんが、現在も生存している可能性があると言われています。
ツァボの人食いライオン

1898年3月から同12月にかけて2頭のオスライオンが猛威を振るったツァボの人食いライオン事件。
南アフリカに位置するケニア共和国のツァボ川付近でこの事件は起きました。
ケニアとウガンダを繋ぐウガンダ鉄道の建設中、ツァボ川に橋を架ける工事の最中に2頭のライオンが現れ人を襲いました。
当時被害者の数は135人以上とされていましたが、最新の研究では被害者の数は35人だったと言われています。
最終的には数カ月にも及ぶ捕獲作戦の末、線区の担当技師だったジョン・ヘンリー・パターソン大佐の手によって射殺されたそうです。
その他有名な獣害事件
上記3件は獣害事件の中でも特に有名ですが、他にも凄惨な事件は世界中で起きています。
チンパンジーのブルーノ事件
西アフリカのシエラレオネ共和国で、チンパンジーの知能の高さが起きてしまった凄惨な事件です。
ジェヴォーダンの獣

18世紀のフランス、ジェヴォーダン地方で起きた事件。
大型で、犬や狼に似た外見の生物によって引き起こされた獣害事件で、その被害者の数は60~100人と言われています。
狼に似たと書いたように、その生物が何であったのかは様々な憶測がされています。
パナールの人喰い豹
インド北部のパナールで「Man-Eater of Panar(パナールの人食い)」と呼ばれる1頭の雄のヒョウが起こした事件です。
400人以上が被害に遭ったと言われており、最終的にはチャンパーワットの人食い虎を射殺したエドワード・ジェームズ・コーベット氏の手によって射殺されたと言われています。
ニュージャージーの人喰い鮫
1916年にアメリカのニュージャージー州のリゾート地の海岸で起きた事件です。
約2週間に渡ってホホジロザメが海岸線を回遊して人を襲い、4人の犠牲者が出ました。
この事件が映画『ジョーズ』の元になったとも言われています。
日本の獣害事件
日本での獣害事件の多くは熊によるものです。
日本の獣害事件に関しては別で詳細記事を作成する予定なので今回は各事件の名前のみをご紹介します。
- 三毛別羆事件
- 福岡大学ワンゲル部ヒグマ事件
- 石狩沼田幌新事件
- 十和利山熊襲撃事件
- 秋田八幡平クマ牧場事件