- アバンストラッシュ
- 昇竜拳
- かめはめ波
- 無量空処
- スペシウム光線
これらは『必殺技』と呼ばれ、その技無しでは彼らについて語れないほど、重要な役割を担っています。
必殺技とは敵と戦う上で持ち合わせている技術・武器・技などのうちで大打撃を与える威力や破壊力を持つもののことである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/必殺技
例え、圧倒的な身体能力の差があり不利な戦いだったとしても、その戦況を変えてしまうのが必殺技です。
実は自然界にはそんな『必殺技』を持つ動物がたくさん存在しています。
動物たちはその技で自身の身を守り、敵を倒します。
そのような本当に強い技も当然ありますが、中には首をかしげてしまうような面白い技もあります。
- 動物強さランキング
- 最強動物選手権
など話題は、身体能力などを加味した総合的なものですが、この記事では身体能力に関係なく、純粋な攻撃技の強さ・面白さから動物を選びまとめました。
面白い攻撃技を持つ動物
テッポウエビ
日本を含む東アジアなどに生息するテッポウエビ。
彼らの必殺技はその大きなハサミから繰り出される『プラズマ衝撃波』です。
自身の胴体ほどの太さを持つその片腕には凄まじい筋肉が秘められており、ハサミを閉じる際の先端の速度は時速100kmを超えます。
それが閉じて重なり合う瞬間、あまりの速度に周囲の水圧が下がりたくさんの気泡が発生します。
その気泡は膨らんで破裂しますが、この時の気泡の温度は4000℃以上に達し、その影響で周りの水分子がプラズマ状態になり発光します。

引用:youtube
気泡は周囲の水を巻き込みながらすさまじい音と共に破裂します。
この泡が破裂することによって生じる衝撃波を前方に飛ばし、外敵を攻撃するのです。
発生する音は最大で200dBを超えます。
ちなみに、人間の脳は198dB以上の音で破壊されてしまう可能性があるので要注意です。
スローロリス
スローロリスは、名前にリスと付いているのでリスの仲間であると勘違いされますが、霊長類でヒトやサルの仲間です。
大きな目とボタンのような鼻、羊毛のようなふわふわした毛並み、ゆっくりとした動きが特徴でです。
希少な生き物なので申請が必要ですが、日本でもペットとして飼われていました。
そんな可愛いらしいスローロリスですが、その容姿には似つかわしくない武器を持っています。
なんとスローロリスは霊長類の中で唯一毒を持つ動物なのです。
毒は肘の内側辺りにある毒腺から出る分泌液に含まれており、それは唾液と混ざることで強い刺激臭を持ち毒性が増します。
その唾液と混合した毒を口の中に含んで噛みつくことで攻撃したり、自身の体に塗ることで外敵から身を守ります。

引用:BMC
また子供は毒を持たず、母親は外敵から身を守るためにグルーミングする際に子供の体に毒を塗ります。
その毒は小動物であれば死に至ることもあり、人間が噛まれると激痛・呼吸困難・血尿などの症状が出ることがあるそうです。
デンキウナギ

馬をその『電撃』で感電死させたという逸話があるデンキウナギは、南米・アマゾン川などに生息しています。
その体に持つ数千の発電器官を使い、最大で860Vもの強力な電圧を発生させ、狩りをし、外敵から身を守ります。
攻撃だけでなく弱い電流で周りに電場を作り、濁った水中での障害物や獲物の探知にも使用されています。
実は発電中には自身も感電しているのですが、脂肪が絶縁体の役割を果たし、自らが感電死することは無いと言われています。
オポッサム

北米唯一の有袋類であるオポッサムは、その愛くるしい見た目から、ペットとしても人気の動物です。
木登りが得意で多くは樹上で生活しますが、環境適応能力が高く、北米では市街地に生息してゴミを漁ったり、車との衝突事故などが問題になったりもしています。

そんなオポッサムの必殺技は『死んで再生する』というものです。
正確には『死んだふり』ですが、そのクオリティが非常に高く、現地では「playing dead(死んで再生する)」として知られています。
オポッサムは外敵と遭遇した際、恐怖や痛みがある一定のラインを超えると、目と口を開けたまま舌を出して横たわり、肛門から強烈な臭いのする液体を出します。
それを出したオポッサムはまるで腐った肉のような臭いがするそうです。

この状態になると呼吸が浅く、心拍数は遅くなりますが、意識はあって周りで何が起きているかは把握できるようです。
しかし1度この状態になるとオポッサム自身の意志では戻ることは出来ず、数分~6時間程度の時間を経て復活します。
また体の筋肉が収縮され硬くなり、物理的な防御力も上がるそうです。
テッポウウオ
英語では『Archerfish(アーチャーフィッシュ)』と呼ばれるテッポウウオは、東南アジア、国内では沖縄県・西表島に生息するスズキ目の魚です。
その必殺技は名前の通り『水鉄砲』です。
口から水を勢いよく発射し、植物の葉に止まっている虫などを水中に落とし捕食します。

目で見て虫が居ることを感知し、狙いを定めて発射するという技術は、テッポウウオが高い認識能力を持っていないと成立しません。
最新の研究では、テッポウウオは人間の顔を驚くほど正確に把握できることが分かっています。
人間の顔の構造は似通っていて、それを見分けるには微妙な違いを認識することができなければなりません。
実験では、2人の別の人間の写真を見せ、正しい写真に水を吐くたびに餌を与えることによって、写真の1つを選択するように訓練しました。
するとその訓練を受けた魚は、80%の確率で餌を貰える顔写真を選択し続けたそうです。
テッポウウオは、その驚異的な目と射撃能力で水辺の生物を蹂躙します。
アフリカモリアオガエル

アフリカモリアオガエルは、その特徴が某アメコミヒーローに酷似していることから『ウルヴァリンカエル』とも呼ばれています。
脇腹から太ももに沿って生えている毛のようなものは、繁殖期のオスに見られる特徴です。
そんなアフリカモリアオガエルが持つ必殺技は『爪攻撃』です。
例えば、猫を始めとするネコ科の動物は、必要に応じて爪の出し入れが出来ます。
それは爪に繋がっている腱を引っ張ることで行われており、出し入れすると言っても自らの体を傷付けたり痛みが伴うものではありません。
それに比べて、アフリカモリアオガエルは恐ろしい代償を支払って爪を武器として使用してます。

引用した画像に写っている小さな白いトゲがそれですが、厳密に言えばこれは骨です。
爪は通常「ケラチン」というタンパク質で形成されていますが、このトゲはそうではなく骨と同じ成分で形成されています。
画像を見て分かる様に、この爪は指の腹の皮膚から飛び出ています。
通常時これは皮膚の内側に隠れていますが、脅威を感じた際につま先の骨を折って変形させ、皮膚を突き破って表に出します。
脅威が去るとこの爪は体内に戻り皮膚も治癒されると言われていますが、そのメカニズムは解明されていません。
自身の体内に武器(爪)を仕込み、危機が迫ったときにそれを取り出す姿は、まるでウルヴァリンのようです。

モンハナシャコ

某火星系ゴキブリ漫画の能力のひとつとして登場し、その知名度を向上させたモンハナシャコ。
花のような鮮やかな色合いと胴体部分にある円形の斑紋から、漢字では「紋花蝦蛄」と書かれます。
海のボクサーとも呼ばれるモンハナシャコの必殺技はパンチ(エルボー)です。
肉食である彼らは、海中で貝などを食べます。その際に貝殻を自身のパンチで割るのです。
その加速は拳銃に匹敵し、水中で人間の指の骨を折り、ガラスの水槽を割ってしまうと言われており、そのパンチ力は約1500N(≒150kgf)だと言われています。
昨年、格闘家の那須川天心さんが自身のYouTubeチャンネルで計測していたパンチ力が272kgfでした。
【参考動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=c6GzrnQp6sA】
モンハナシャコがその小さな体で150kgfもの威力を出していると考えるとその凄まじさが伝わると思います。
以下は鳥羽水族館公式ツイッターに投稿された、モンハナシャコがアサリを攻撃している動画です。
シャコの仲間のモンハナジャコはアサリを食べるとき、ひたすらパンチして殻を割ります🤜🤜🤜👊👊🍴 #鳥羽水族館 #モンハナジャコ pic.twitter.com/ua9xU7MWtr
— 鳥羽水族館(TOBA AQUARIUM) (@TOBA_AQUARIUM) April 12, 2020
音と割れた貝殻が、その凄まじいパンチ力を感じさせます。
パンチ力について補足
数値として150kgfという値は散見されていたのですが、モンハナシャコのパンチ力をどのように計測したかは分かりませんでした。
パンチ力を決定するのには重要な要素がたくさんあります。
- 自身の質量(体重)
- 繰り出す速度
- 自身の硬さと相手の硬さ
- 力を加え続けられる時間 etc…
これだけ複雑な要素が絡み合っていると考えると、諸条件が変わってくるのでパンチングマシーンで計測した結果と何で測定されたか分からないものを比較するのは変な話だと思いますが、読者の皆さんがイメージしやすいようにこのような書き方をしました。
References
Wikipedia(スローロリス) science alert Opossum Facts HUFFPOST Science Advances Wikipedia(Hairy frog) Wikipedia(デンキウナギ)