ハエはもっとも身近な虫のひとつで、室内に登場し食べ物の周りを飛び回るその姿は多くの人間を不快にさせます。
いざ見つけて倒そうとすると、その素早さを実感することになります。
ハエたたきを振り回し、何度叩き落そうとしても倒せない…そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実はそれにはハエの持つ驚異的な力が関係していたのです。今回は、そんなハエの持つ特殊能力についての記事です。
なぜハエを叩き落すのは難しいのか
ハエが叩き落せない原因には次の二つの能力が大きく関係していると言われています。
- 体感時間が人間の4倍
- 100分の1秒で方向転換
それぞれの能力について解説していきます。
ハエの1秒は人間の4倍!?
パラパラ漫画というものをご存知でしょうか?複数枚の絵を素早くめくることで、動きのある映像のように見せる手法です。
実は、生物の目も同じように画像を連続的に繋ぎ合わせて見ています。目が捉えた画像を脳に送り、繋ぎ合わされることで視覚を形成しているのです。
1秒間に何枚の画像を処理するかは生物によって違い、人間の1秒間はおおよそ30枚から60枚と言われています。
パラパラ漫画に置き換えて考えてみましょう。
同じ動きを表現する二つのパラパラ漫画がある時、使う枚数が多い方がその動きはより鮮明になります。これは生物の目も同じなのです。
なんとハエは240枚ほどで1秒が形成されています。つまり人間の1秒が4倍以上に鮮明に見えているのです。
人間の4倍以上のスピードで視覚情報を処理するハエから見ると、人間の攻撃はスローモーションに見えているのでしょう。
驚異の飛行能力
想像してください。全力疾走しているとき、目の前に急に壁が現れます。避けることは出来るでしょうか?
多くの人がそのままぶつかってしまうと思います。
ハエは1秒間に200回ほど羽ばたきをしているのですが、危機が迫ったときに羽ばたき1回でその方向を変えるということが実験で確認されたのです。
時間にすると0.01秒です。ハエはその優れた目で危険を察知し、0.01秒で方向を変え人間の攻撃から逃げています。

まとめ
虫はその小さな体からは想像も出来ないような素晴らしい能力を秘めています。ハエが倒せない理由は目と飛行能力によるものでした。
これだけ科学が発展した現在でも、世界の80%以上が未知であると言われています。
ハエに関してもまだまだ未知の部分が多く、これから研究が進むにつれて新しい発見があるかもしれません。