人体の雑学凄い能力都市伝説

”人間の脳は潜在能力の10%しか使用していない”は嘘か本当か?

人体の雑学

約50パーセント。つまり、マックスパワーの半分も出せば、君を宇宙のチリにすることが出来るんだ・・。

引用:ドラゴンボール26巻/159p

某有名漫画の最も愛されている悪役の発言を引用しました。

  • 『人間は脳の10%しか使用していない』
  • 『脳には秘められた力が眠っている』

という逸話を聞いたことはありませんか?

あのフリーザでも50%の力を出して悟空と戦っていたというのに、現実世界に生きる人間は何と10%しかその力を発揮していない可能性があるのです。

さて、この逸話は本当なのでしょうか?

今回の記事では『脳が10%しか使用されていない』という噂の起源についてまとめます。

脳の役割

脳の役割は運動・感覚・思考など、体内全ての情報伝達を司る中枢で、私たち人間が生きていく上で最も重要な器官です。

質量比では体のたった約3%ですが、その働きの為に人間が接種したエネルギーの20%以上が消費されていると言われています。

現在では研究が進み、脳のさまざまな機能が解明された結果『人間は脳の10%しか使用していない』という説は否定されつつあるようです。

ではその噂はどこから産まれたのでしょうか?

『人間の脳が10%しか使用されていない』説の起源

サイレントエリア説

1800年代に動物の脳を用いてさまざまな研究が行われた結果、刺激しても反応が得られない部分や役割が判明しない部位が全体の90%を占めると判明しました。

この部分は『サイレントエリア』と呼ばれ、脳の活動していない部分だと思われていました。

研究が進み、現在ではその説は否定されています。

著書『人を動かす』の序文説

1890年代、ハーバード大学の心理学者であったウィリアム・ジェームズ氏とボリス・サイディズ氏が人間の余剰能力に関して行った演説で『人々は自らの知的潜在能力のごく一部しか経験していない』と語りました。

時は流れ1936年、デールカーネギーのベストセラー『人を動かす』が発行されます。

みなさんもタイトルに聞き覚えがあるのではないでしょうか?、全世界で累計1500万部以上、発売から80年経っても売られ続けている超ロングセラー作品です。

米国作家であるローウェルトーマスが『人を動かす』の序文に「ハーバード大学のウィリアム・ジェームズ教授は平均的な人間はその知的潜在能力の10%しか発揮していないと言っていた」と演説では言っていない具体的な数字を付け加えて書きました。

これが【潜在能力=脳の働き】と捉えられ、人間の脳が10%しか使われていないと言われ始めたという説です。

アインシュタイン提唱説

引用:wikipedia

アインシュタインがその説を提唱したという逸話があります。

ウィリアム・ヘルマンスの著書『アインシュタイン、神を語る』に書かれた文章を引用します。

我々人間は潜在能力の10%しか引き出せていない

ウィリアム・ヘルマンス 
著『アインシュタイン、神を語るより

著書にはこのようなニュアンスの言葉が記載されているが、実際にアインシュタイン本人が発したという根拠はないと言われています。

グリア細胞が機能していない説

脳は神経細胞とグリア細胞で構成されています。そしてその大部分(約90%)は、グリア細胞で形成されています。

グリア細胞は、脳内の環境の維持・栄養を供給する代謝機能の役割など、脳の神経細胞をサポートする役割を担っています。

しかし発見された当初、グリア細胞はほとんど機能を持っていないと思われていました。

このことから『グリア細胞が機能していない = 脳の90%は機能していない』という話が伝聞されたという説です。

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