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【海外の人魚伝説】不吉の象徴?人食い?世界中の人魚伝説まとめ

未確認生物・UMA

その美しい容姿や歌声で人間を魅了する人魚は、神話上の生き物・未確認生物の中で最も神秘的な印象があります。

人魚の伝説は日本だけでなく世界中に存在しています。

今回の記事では海外の人魚伝説についての概要を解説します。

西洋の人魚伝説

セイレーン

人魚と言えばセイレーンという印象を持つ人も多いのではないでしょうか?

セイレーンは、ギリシア神話に登場する伝説の生き物です。

実は神話上では、人魚ではなく半人半鳥の姿で描かれています。

『オデュッセウスとセイレーンたち』
(ウォーターハウス ヴィクトリア国立美術館)

セイレーンは、古代ギリシアの吟遊詩人であるホメロスが残した『オデュッセイア』という叙事詩に登場します。

※叙事詩:歴史上の事件や人物をうたった詩

ーーーオデュッセイア概要ーーー

物語の主人公、ギリシア神話の英雄であるオデュッセウスは、魔女キルケから予言を授かります。

『これからセイレーンの島へ行くことになる。彼女たちは歌声で人間の心を魅了する。セイレーンの海域では魔力のある歌を聴いてはならない。彼女たちの周りには白骨と腐りゆく人間の肉が山となっている。

セイレーンの島に近付き、船員は蜜蝋で耳栓をしましたが、オデュッセウスは歌を楽しみたいと耳栓をしませんでした。

ただ魅了されても問題ないように自身を縄でマストに縛り付け、決して解かないように船員に命令したのです。

歌声が聞こえてくると案の定オデュッセウスは誘惑され、暴れまわって縄を解こうとしました。

船員がそれを防ぎ、オデュッセウス達は何とかセイレーンの島を突破したのでした。

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神話ではセイレーンは歌声で人を誘い、殺してしまう恐ろしい怪物として描かれているのです。

『セイレーン=美しい人魚』のようなイメージとはかけ離れていますね。

なぜ現代では、セイレーンが人魚として伝わっているのでしょうか?

理由は諸説ありますが『ギリシア語で羽根と鱗が同じ単語だったので容姿が誤って伝承された』という説が有力とだ言われています。

中世以降は半人半鳥ではなく、人魚のような半人半魚の怪物として描かれることが多いようです。

『ユリシーズとセイレーンたち』
(ハーバード・ジェイムズ・ドレイパー フェレンス美術館)

ローレライ

ローレライはドイツ・ライン川に伝わる人魚の伝説です。

ライン川の舟乗りにはこのような伝承があったそうです。

---ローレライ伝説概要---

ライン川を航行していた船員たちがローレライの岩の近くを通ると、岩の上から美しい歌声が聴こえました。

その歌声の持ち主はとても美しい少女だったそうです。

そのあまりの美しさに舵を取るのも忘れてしまい、船は水没してしまうのでした…

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引用:Wikipedia

実は『ローレライ』は、ドイツのライン川にある水面から130mも突き出た岩山の名称です。

この岩山はライン川の一番狭いところにあるので水流が速く、さらには水面下に岩が多数潜んでいることもあり、多くの船が事故を起こしたそうです。

『ローレライ付近は航行の難所だ』という話に尾ひれが付き『ローレライの岩山に佇む美しい少女が船頭を誘惑し、舵を取り損ねて船は沈没してしまう』という伝承に転じたそうです。


メロウ

アイルランドの人魚 レリーフ彫刻
引用:Wikipedia

メロウはアイルランドの伝説として語られている人魚です。

古アイルランド語で『海の歌い手(セイレーン)』を意味する単語から生まれたメロウは、先述したオデュッセウス一行が遭遇したセイレーンからアイルランドの伝承に借用されたと言われています。

例に漏れず、出会うと天変地異・厄災が起こると言われていました。

今までの人魚伝説と大きく違う点が、

  • 男性の人魚が存在する
  • 人間を襲う怪物では無い
  • 魔法の帽子を持つ

という部分です。

女性のメロウは半人半魚で美しい容姿を持つこれまで紹介した一般的な人魚像と同じですが、男性はとても醜い顔をしていると言われています。

女性のメロウが人間の男と結婚し、子を成したという話もあり、その際に魔法の帽子が登場します。

ーーーアイルランドの伝承概要ーーー

全てのメロウは魔法の帽子を被っており、それを失くすと海に戻れなくなってしまうのです。

人間はこの習性を利用し、海辺に現れた美しい人魚の帽子を盗み、隠すことで一緒に暮らそうとしました。

帽子が無いと海に戻れない人魚は渋々了承し、一緒に暮らし始めます。

暮らしていくうちに人魚も人間を好きになり、結婚して子供も出来て幸せに暮らしていました。

月日が流れたある日、子供がとても綺麗なものを見つけたと人魚に言いました。

それは例の帽子だったのです。

帽子を見つけてしまった人魚は、自分が人魚であったことを思い出し、どうしても故郷が懐かしくなってしまいました。

そして人魚は、引き留める人間と子供を残して海に帰っていったのです。

それ以降彼女を見た人間は居なかったそうです。

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今まで人魚伝説は人魚が怖い怪物であると描かれていましたが、メロウは『つつましく、親しみぶかく、優しく恵みぶかい』と言われています。


メリュジーヌ

引用:Wikipedia

メリュジーヌはフランスの伝承に登場する水の精霊です。

上半身は美女、下半身はヘビの姿で背中にはドラゴンの翼が付いていることから竜の妖精であるとも言われています。

『下半身が魚だった』という記述も見られますが、半人半蛇という説が有力です。


ハゥフル

引用:Wikipedia

ハゥフルはノルウェーの伝承に登場する人魚です。

漁師の間では、ハゥフルを見つけるとそれは嵐や不漁のサインだと言い伝えられています。

ハゥフルを見つけてしまったら、同僚に相談せずに火打石で火花を散らすことで嵐や不漁から逃れることが出来ると言われています。

また、ハゥフルには予知能力があると言われており、ハゥフルを捕まえた漁師はその予言を聞いていたそうです。

男の人魚はハゥマンドと呼ばれ、人間に友好的だと言われています。


中南米の人魚伝説

イアラ

引用:mythus.fandom

イアラはブラジルの伝承に登場するアマゾン川に住む美しい人魚です。

川で美しく魅力的な声で歌い、それを聞いた人間の男性を魅了します。

イアラは水中では人魚の姿をしていますが、水から出ると美しい人間の女性に変化します。

しかし人間の姿では男性を魅了する力を失ってしまうそうです。

オセアニアの人魚伝説

シレナ

引用:Wikipedia

シレナはグアム島の伝承に登場する人魚です。

これまでの伝承と大きく違う点は『人間が人魚に変わった』という部分です。

ーーーグアム島の伝承概要ーーー

ハガニア川の入り江近くに住むシレナという少女は泳ぐことが大好きでした。

とある日、母親に用事を言いつけられます。

家を出たシレナは、天気が良かったこともあり用事を後回しにして入り江で気持ちよく泳いでいました。

時間を忘れて泳ぎ続けてしまったシレナは、雑用を忘れてしまいます。

それに怒った母親が『そんなに水が好きなら魚にでもなっておしまい!』と言いました。

なんと神様はそれを聞き入れてしまったのです。

叔母が慌てて『人間の部分も残してください』と懇願し、シレナは下半身だけ魚になってしまいました。

シレナはそのまま別れを告げ、海へ泳ぎ去っていったのでした。

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アジアの人魚伝説

タクラハ

タクラハは台湾のサオ族の伝説に登場する人魚によく似ていると言わていれる動物です。

ーーーグアム島の伝承概要ーーー

元々サオ族とタクラハは友好的な関係だったが、とある日タクラハが湖の底で漁具を集め壊している姿を見つけてしまいました。

サオ族の青年は湖に飛び込み、タクラハと三日三晩に渡って戦ったが決着は着きませんでした。

よくよく話を聞くとタクラハは「魚を取り過ぎると私たちは生きていけない」と言っており、サオ族は過ちに気付いたのです。

それからサオ族は、漁の時期や道具に制限をかけて魚を取り過ぎないように気を付け、タクラハが漁具を壊すことは無くなったです。

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