最も有名な湖に住む未確認生物は、イギリス・ネス湖の怪獣ネッシーでしょうか?
ネッシーは、日本においても最も知られた未確認生物と言っても過言ではありません。
テレビや雑誌でその存在が連日取り上げられ、国内で目撃された未確認生物に「○○ッシー」という命名がされていたことは記憶に新しいです。
しかし、日本から遠く離れた北米の地・カナダでは、最も有名な未確認生物はネッシーではありません。
湖の悪魔と呼ばれ、先住民の間で語り継がれている未確認生物、それは『オゴポゴ(Ogopogo)』です。
オゴポゴについて
オゴポゴは、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州のオカナガン湖に生息すると言われている未確認生物で、『Naitaka(ナイタカ)』とも呼ばれています。
古くは、湖周辺に住むネイティブアメリカン(先住民)の神話上に『N’ha-a-itk(湖の悪魔)※』として登場し、語り継がれています。
※先住民が使用していたセイリッシュ語と呼ばれる言語。そこからNaitakaと呼ばれるようになった。
頭部は馬や山羊のような見た目で、背中にコブのある体長10~20mもの巨大な水蛇であると言われており、神話上では「水の精霊」「湖の守護神」として、有史以前からオカナガン湖で扱われています。
その起源は様々ですが、原住民の間では『殺人を犯した人間が、罰として神の力で大蛇に変えられた』と伝えられているそうです。
カナダでは切手に使用されるほど有名な未確認生物です。
日本のツチノコと同じように『オゴポゴの鮮明な写真を提供した人には賞金を出す』とその目撃情報には多額の賞金が懸けられたこともありました。
目撃情報
神話上には古くから登場していますが、最古の目撃情報としては1872年にカナダの作家であるスーザン・アリソン(Susan Louisa Moir Allison) という女性が、湖を渡航中の船上から泳ぐ怪物を目撃したというものです。
それを皮切りに、現在では数多くの目撃情報が寄せられています。
いくつか抜粋してご紹介します。
1926年7月_ジョン.L.ロギー夫妻
ジョン.L.ロギー夫妻と孫二人が湖畔を車でドライブしていると、湖面から7mを越す木の幹のようなものが姿を見せたそうです。
『その物体には50cmほどの頭がついており羊のような顔から尖った鼻がつきでていた』と証言しています。
1968年_アート.フォールデン氏
アート.フォールデン(Art Folden)という製材場で労働していた男性によって撮影された動画が話題を呼びました。
湖のほとりを沿って家に帰っていた途中、湖でうごめく大きな影を発見しました。
動画では物体が湖を横切り、波紋を引き起こしていることが確認できたそうです。
2005年に再度映像を分析した結果、それは本当に動物であると結論付けられました。
しかし撮影された動画から導き出された動物の大きさから、ビーバーか水鳥だったのではないかとも言われています。
2000年_地元メディア(新聞)
新聞が次のような記事を掲載しました。
At midnight Monday, six adults including four security guards, spotted a strange looking creature at the end of Bernard Avenue. The 4-metre (12 foot) long creature with four flippers, 2 at each end, thrust forward like a caterpillar.
https://ogopogoquest.com/sightings.php
(日本語訳)月曜日の真夜中、4人の警備員を含む6人の大人が、バーナード通りの端で奇妙な形の生物を発見しました。全長4メートル(12フィート)のその生物は、両端に2つずつ、計4つのヒレを持ち、芋虫のように前方に進んでいた。
2014年3月_ジェフ・コッタム氏
オンタリオ州在住のジェフ・コッタム氏(Jeff Cottam)が、ピーチランド※に住む息子を訪ねた際に、目撃しました。
※カナダのブリティッシュコロンビア州のオカナガン湖の西側にあるオカナガンバレーの地方自治体
この画像はiPhoneで撮影されました。
海岸から10mほど離れた位置に見えたその生物は、体長10~12フィート(3~4メートル)、頭部はライオンや蛇のように見えたと話しています。
頭部をズームした写真を撮るためにiPhoneを操作していたところ、視界から消えてしまったそうです。
正体に関する諸説
正体に関しては諸説ありますが、以下の3説が有力と言われています。
- 湖に住むチョウザメの変異種説
- 絶滅したクジラの先祖バシロサウルス(ゼウグロドン)説
- 新種のクジラ説
こういった未確認生物が存在しないことの証明は難しく、実際に発見されるまでは真相は闇の中…という事でしょう。
所感
当たり前ですが、既知の生物も発見されるまでは未確認生物でした。
人類が初めて海に出てクジラと遭遇したとき、それは人間を丸呑みする巨大な化け物であると言われていたでしょう。
初めて10mを超えるダイオウイカを発見したとき、神話上の生き物であるクラーケンの子だと想像したことでしょう。
人類は月や火星に探査機を飛ばし、現在ではその地形に関して100%近く把握できたと言われていますが、実は住んでいる地球に関してはそうではありません。
特に地球上の約70%を占める海に関して、その海底の地形はまだ15%ほどしか把握できていないのです。
オゴポゴは湖に住むUMAですが、これを聞いてしまうと『まだ発見されていないだけだよ…』と言われても納得せざるを得ない気がしてきます。
References
Wikipedia:オゴポゴ